むかしむかし、のどかな草原に、太陽のように明るい雲の子犬、サニーが住んでいました。サニーは、いつも笑っていて、まるで小さな鈴が鳴るような声で「クククッ!」と笑います。サニーは、オレンジと赤の毛並みで、空をぴょんぴょん跳ね回るのが大好き。サニーが跳ねると、キラキラ光る虹の道ができます。ある日、サニーは、いつものように虹を作ろうとしましたが、なんだか様子が変です。虹が、いつもよりずっとくすんで、キラキラしていません。
「あれれ?どうしたんだろう?」 サニーは不思議に思いました。そこへ、ふわふわの毛並みを持つ、おやすみモンスターのモップがやってきました。モップは、深い空色の毛皮で、いつもみんなの枕をふかふかにしたり、面白いお話をしてくれる、優しいモンスターです。
「やあ、サニー。どうしたんだい?」 モップは、優しい声で尋ねました。
「モップ、見て!今日の虹、色が薄いんだ。なんだか、つまらないよ」 サニーは、少ししょんぼりしながら言いました。
モップは、少し考えました。 「うーん、もしかしたら、太陽の元気のかけら、クラウドクランブルが関係しているかもしれないよ」
ちょうどその時、サッカーボールを蹴りながら、フアンという男の子がやってきました。フアンは、とても元気で、サッカーが大好き。そして、面白いことが大好きで、いつも笑っています。フアンは、サニーとモップに気づき、サッカーボールを見せました。
「見て!僕のサッカーボール、今日はあんまりキラキラしてないんだ!」 フアンは、少し困った顔をしました。
サニー、モップ、フアンは顔を見合わせました。 「これは大変だ!」 サニーは言いました。
「太陽の元気を取り戻さないと!」 モップも言いました。

「僕も手伝うよ!」 フアンは、元気よく答えました。
こうして、太陽の元気を取り戻すための、3人の冒険が始まりました。
3人は、くすんだ虹の道しるべをたどり、草原の端っこまでやってきました。そこで出会ったのは、むっつりとしたバジャーのおじいさん。バジャーのおじいさんは、クラウドクランブルを見たと主張しました。
「あんな小さなクラウドクランブル、見たことない!」 バジャーのおじいさんは、ぶつぶつ言いました。
3人は、さらにクラウドクランブルの足跡を追いかけました。足跡は、暗くて影のある洞窟へと続いていました。洞窟の中に入ると、奥の方に、とても小さくて、悲しそうな顔をしたクラウドクランブルがいました。クラウドクランブルは、太陽から離れて、一人ぼっちになってしまっていたのです。
「かわいそうに…」 モップは、同情しました。
「どうしたらいいんだろう?」 サニーは、困った顔をしました。
「僕が何かできることあるかな?」 フアンは、一生懸命考えました。
サニーは、雲の上をぴょんぴょん跳ね回り、大きな綿あめの橋を作りました。モップは、ふわふわの毛皮で、クラウドクランブルを優しく包み込みました。フアンは、面白いジョークを言って、クラウドクランブルを笑わせようとしました。
「ねえ、クラウドクランブル。どうしてそんなに悲しいの?」 サニーは、優しく尋ねました。

クラウドクランブルは、小さく震えながら答えました。 「太陽と離れ離れになって、寂しいんだ…」
フアンは、何か思いついたように言いました。 「僕、面白いジョーク知ってるんだ!聞かせてあげるよ!」 フアンは、面白い顔をして、ジョークを言い始めました。
「ある日、お寿司屋さんに、お醤油がきました。お醤油は言いました。「僕は、お魚さんのこと、好きじゃない!」…」
フアンのジョークを聞いて、クラウドクランブルは、少しだけ笑顔になりました。
「フアン、ありがとう…」 クラウドクランブルは、少しだけ元気になりました。
サニーは、綿あめの橋を伝って、太陽のもとへ行きました。 「太陽さん、クラウドクランブルを迎えに来てあげて!」 サニーは、太陽に頼みました。
太陽は、優しく光を降らせ、クラウドクランブルを包み込みました。
クラウドクランブルは、太陽の光に包まれ、嬉しそうに輝き始めました。すると、くすんでいた虹が、再びキラキラと輝き始めました。フアンのサッカーボールも、太陽の光を浴びて、キラキラと輝きを取り戻しました。
「やったー!」 サニー、モップ、フアンは、大喜びしました。草原には、再び太陽の光が降り注ぎ、みんなの心も明るくなりました。
3人は、草原でサッカーをすることにしました。フアンは、元気いっぱいにボールを蹴り、サニーは、空を飛び回り、モップは、みんなを応援しました。みんなの笑顔と笑い声が、草原いっぱいに響き渡りました。
そして、サニーは、こう思いました。「みんなで力を合わせれば、どんなことでもできるんだな!」