こんにちは、わたしはデジタルカメラ!

こんにちは。わたしの名前はデジタルカメラ。みんな、わたしのことを知っているかな。わたしは、みんなの家族のスマートフォンの中や、タブレット、それにかっこいいカメラそのものの中に住んでいるんだ。わたしの特別な力は、一瞬を捉えて、その時間を永遠に止めること。「カシャッ。」と、それだけで思い出が保存されるんだよ。一番すごいところは、すぐにそれを見られること。待つ必要は一切なし。わたしが生まれる前の時代を想像できるかな。本当の話だよ。みんなのお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんは覚えているかもしれない。写真を撮るためには、「フィルム」と呼ばれるものを使わなければならなかったんだ。それはカメラの中に入れる特別なロールでね。全部の写真を撮り終えたら、そのフィルムを特別なお店に持っていって、写真を見るまでに何日も、時には一週間も待たなければならなかったんだ。信じられるかい。自分の誕生日会の写真を見るのに、丸々一週間も待つなんて。

わたしの物語は、ずっと昔の1975年に始まるんだ。みんなが想像するような、ピカピカのハイテクな研究室で生まれたわけじゃない。わたしを作ったのは、スティーブン・サッソンという、とても賢くて好奇心旺盛なエンジニアだった。彼はコダックという会社で働いていて、その会社はわたしがさっき話したフィルムを作るので有名だったんだ。ある日、スティーブンの上司たちは、彼にとても面白い課題を与えた。彼らは、光を電気信号に変えることができる「CCDセンサー」という、全く新しい発明品を持っていた。そして彼にこう尋ねたんだ。「スティーブン、これを使って画像を捉えることはできるかい。」と。それはとても大きな問いだった。誰もそんなことをしたことがなかったからね。そこで、スティーブンは仕事に取りかかった。言っておくけど、わたしは今みたいな見た目じゃなかったよ。スマートでポケットサイズなんてとんでもない。わたしは大きくて不格好な、青と銀色の箱だった。正直に言うと、カメラというよりトースターみたいだったんだ。重さは4キログラム近くもあって、それは大きな砂糖の袋よりも重いんだよ。写真を撮るために、スティーブンはわたしをテレビに繋いで画像を見なければならなかった。そして、いよいよその時が来た。わたしの初めての「カシャッ。」。まあ、実際には「カシャッ」という音はしなかったんだけどね。スティーブンはわたしを研究室の助手の写真に向けた。画像を捉えるのに、なんと23秒もかかったんだ。そんなに長い時間、じっと動かないでいることを想像してみて。写真はぼやけていて、白黒だった。そして、その初めての大切な写真はどこに保存されたと思う。メモリーカードじゃないよ。人々が音楽を聴くのに使っていた、カセットテープに保存されたんだ。それはゆっくりで、不器用なスタートだったけど、フィルムなしで写真が撮られた初めての瞬間だった。わたしにとって、全ての始まりだったんだ。

その最初のぼやけた写真の後、わたしはみんなと同じように、成長し始めたんだ。最初は、世界を白と黒、そして灰色の濃淡でしか見ることができなかった。でもすぐに、賢いエンジニアたちが、虹の全ての鮮やかな色を見る方法を教えてくれた。わたしの写真は、ぼやけたシミから、くっきりとした美しい画像へと変わっていったんだ。わたしはダイエットもしたよ。重たいトースターサイズの箱から、ずっと小さくて速いものへと縮んでいった。わたしの頭脳も賢くなった。1枚の写真を撮るのに23秒もかかっていたのが、たった1秒でたくさんの写真が撮れるようになったんだ。「カシャッカシャッカシャッ。」てね。一番大きな変化は、わたしの記憶力だった。昔のカセットテープには写真が1枚しか入らなかった。でも、その後、小さなメモリーカードが発明されたんだ。親指よりも小さいものに、何千枚もの写真が保存できるなんて想像できるかい。信じられないことだったよ。人々はもう、休暇中や誕生日会の途中でフィルムがなくなる心配をしなくてよくなった。楽しい瞬間を、好きなだけ撮り続けられるようになったんだ。

今日、わたしは最高の人生を送っている。一番のお気に入りの家は、みんなのポケットの中にあるスマートフォンの中。そこから、わたしはみんなと一緒に世界を見ることができる。みんなの幸せな笑顔や、素晴らしい絵、ペットがする面白いこと、そしてみんなが見る美しい夕日を見ているんだ。そして、わたしはインターネットに繋がっているから、その瞬間をすぐに共有する手伝いもできる。ボタンを一つタップするだけで、君の誕生日ケーキの写真が、世界中の君のおじいちゃんやおばあちゃんのもとへ数秒で飛んでいく。わたしは君のポケットサイズの思い出の管理人。君の人生の大切な瞬間を全て保存して、君が愛する全ての人と君の物語を分かち合う手伝いをしているんだ。さあ、今日はどんな素敵なものを撮るのかな。

読解問題

クリックして答えを見る

Answer: 最初のカメラが大きくて重く、トースターのようにスタイリッシュではなかったという意味です。

Answer: カセットテープは普通音楽用なので驚きました。昔の技術が今とどれだけ違ったかを示しているからです。

Answer: 人々はフィルムを使わなければならず、フィルムがなくなってしまうこともありました。また、写真を見るのに何日も待たなければなりませんでした。デジタルカメラは、1枚のメモリーカードに何千枚もの写真を撮ることができ、すぐに写真を見ることができるようにして、この問題を解決しました。

Answer: 最初は、自分を大きくて不格好な箱だと説明していて、少し不器用だと感じていたかもしれません。最後には、みんなのポケットの中に住んで、思い出を撮る手伝いをすることで、誇りと有用性を感じています。

Answer: カメラはポケットに入るほど小さく、その仕事は、まるで番人のように人々の大切な思い出を安全に保管する、つまり「管理する」ことだという意味です。